新千歳空港で昼食を食べてから、北海道といえば必須(?)のレンタカーを借り、支笏湖へ向かう。道が…なんというか、今まで走ってきたどんな道とも違う。高低差があまりない森の中を、ひたすら走る。山の中はそれなりに走ったりしたことあるけれど、こんな真っ直ぐで長い道、そうそう走ったことがない。これぞ北海道!とまず感激。

今回のメインは札幌・函館と都会だが、どうしても自然にも触れたいと、一番近い湖ということで選んだ湖。遊覧船で湖の中も覗けるというので乗ってみる。幸い雨は降らなかったものの、天気があまり良くなかったこともあって、湖の中は濁っていた。残念。それでもそれなりに湖の上を船で進むのは楽しい。

支笏湖から車で札幌へ移動。レンタカーとはここでお別れ。札幌市内の道路は一方通行はあるし、車線は多いしで、正直二度と走りたくない…。
一旦宿に荷物を置いてから、有名なすすきのへ行き、ラーメン横丁でラーメンを食す。やはり札幌ラーメン、食べておかねば。横丁はラーメン屋さんがたくさんあって、1軒1軒は小さいけれど、雰囲気があって楽しい。勿論ラーメンも美味しい。

宿を引き払い、地下鉄も乗りながら札幌市内を散策。大通公園をテレビ塔はやはり見ておきたいと、のんびり散策。テレビ塔は別にのぼりたいと思わなかったので、公園から見て満足。空も綺麗で写真日和だった。

残念だよ、という評判はよく聞くものの、やはり札幌と言えば時計台。これは外せないからと行ってみて、残念の理由が分かった。
建物自体は和の要素も絡めた西洋風といったところで、まずまずなのだが、立地…というか、周りの環境が雰囲気をぶち壊している。時計台そのものはさほど高い建物ではなく、その周囲をビルたちが囲んでいるため、存在が唐突。勿論こちらが先に建てられたのは分かっているのだが、これは…残念と言われても仕方がない。
札幌市時計台について詳しくは
コチラ。

続いて、時計台から歩くこと10分ほどで北海道庁旧本庁舎へ到着。こちらも街中に唐突に現れるが、時計台と違い、敷地も広く、規模も大きいのでなかなかの迫力だった。
赤れんが庁舎について詳しくは
コチラ。

旧本庁舎から歩くこと20分ほど。まずはエルムの森という正門横の案内所で地図を入手。ついでにりんごジュースを飲んで休憩しつつ、どう周るか確認。とにかく広いキャンパス。広すぎて、周るのにとても時間がかかる。
古河講堂、クラーク像、旧昆虫学及養蚕学教室、エルムの森、ポプラ並木、イチョウ並木を見る。時間と体力に余裕があれば、農学校とかも見たかったけれど、何せ広すぎて断念。あと、残念ながら有名な総合博物館は改修工事のため見れなかった。
午前中でひととおり札幌の街を散策した後は、電車で函館へ。特急で移動したのだけれど、指定席が前日でも満席で、早めに並んでの自由席で移動。昼食は駅弁で、なかなか美味しい。
夕方…の一歩手前で函館駅に着く。函館駅から市電に乗り換え、末広町へ。駅で入手した函館まちあるきマップ1「これぞ王道!函館の魅力凝縮コース」を見ながら散策を始める。
基坂を登ると、早速左手に旧イギリス領事館…の前に、閉館時間が早い「函館市写真歴史館」を見学。江戸末期に開港場となったため、いちはやく様々な技術が入ってきた函館ならではの写真歴史館。日本最古の写真も残っている。今のカメラとはまったく違う、暗函等も多く展示されている。
旧北海道庁函館支庁庁舎
1909年(明治42年) 道指定有形文化財
コリント式の柱を前面に配した洋風建築。
北海道函館市元町12番18号
写真館から少し戻って旧イギリス領事館へ。こちらはいわゆる西洋建築といったところ。神戸の北野の西洋館なんかと似ているなぁという印象。ここは中で色んな写真が撮れて、遊び心もあって楽しかった。
旧イギリス領事館
1913年(大正2年)
数度の火災の後に現在の場所で再建されたが、再び火災により焼失。現在の建物は1913年にイギリス政府工務省上海工事局の設計により竣工。1934年に閉鎖されたが、92年に復元し、開港記念館として一般公開が始まった。
領事執務室や家族居室等の部屋の他、歴史を紹介する場所ともなっている。
北海道函館市元町33番14号

写真館の更に山側にある立派な西洋館。堂々としたたたずまいで、きらびやかな印象。2階のホールがすごい。
旧函館区公会堂
1910年(明治43年) 重要文化財
1907年(明治40年)に焼失した町会所を再建するために豪商相馬哲平をはじめ、市民の寄付で建設された。設計は函館区技手小西朝次郎。
本館は左右対称形の木造二階建桟瓦葺、ルネサンス式に近い。2階にはベランダを配す。附属棟は木造一階建。本館2階はそのほとんどの面積を使った大広間がある。
北海道函館市元町11番13号

そこから南東へ歩き、海を臨む八幡坂や、ライトアップが始まった教会群等を見ながら、函館山へ。ロープウェイはのぼりはさほど人が気にならなかったが、山の上は人だらけ。写真を撮るのにかなり時間がかかる上に、人混みでもう…むり。ロープウェイで下りるのも結構な人で、とにかく疲れた。綺麗だったけれど、二度と行きたくない。
五稜郭周辺

ホテルから五稜郭へ向けて歩きだす。前日に入手した「函館まちあるきマップ」の12番、「函館まちなか美術館 五稜郭編」を片手にぶらりぶらり。まちなか美術館というのは、どうも道沿いに設置されている彫刻たちのことを指しているよう。石川啄木のイメージからの「ぢっと手を見る」(作:藤原吉志子)や、「ぼくたちの旅」(作:峯田義郎)、「たまごをうんだ人」(作:川上加奈)などなど、色々な彫刻を見ながら歩く。
五稜郭タワーを素通りして、まずは函館奉行所へ。こちらは武田斐三郎さんが建てたもの。奉行所は当初、函館山麓に置かれたものが港から近く防衛に良くないということで現在の位置へ移された。が、函館戦争後、開拓使により解体された。現在の建物は2010年に復元されたもの。
星型の中をぐるりと歩いて、五稜郭タワーへ戻り、タワーをのぼる。高さはそれなりで、五稜郭を上から見て「おぉ、星型だ」と思う。タワーの内部には写真で有名な土方歳三之像があるので、ツーショットでぱしゃり。五稜郭の歴史も勉強する。
トラピスチヌ修道院

五稜郭タワー前からバスに乗ることおよそ15分、山際にある修道院「トラピスチヌ修道院」へ到着。現役の修道院なので、入れるところも限られていて、厳かな雰囲気。観光で来てすみませんという気持ちになるが、宗教施設は建物も雰囲気も好きなのだな。
赤レンガ倉庫群
バスで函館市内に戻り、海鮮丼を食べ、赤レンガ倉庫群をふらり。お店がたくさん入っているけれど、あんまり興味がないので素通り。
教会

昨日もライトアップされた教会群は見ていたが、中には入れなかったのであらためて。中に入ったのはカトリック元町教会と、函館ハリストス正教会。
カトリック本町教会は、いかにも教会という雰囲気で、中央正面に祭壇があり、とても綺麗。静かで人も少なく、ひたるにはいい場所。函館ハリストス正教会はきちんと受付もあり、係りの人がいて、観光を意識しているよう。イコン画が素晴らしい。
函館ハリストス正教会
1916年 重要文化財
初代聖堂が1860年に建立されたが、1907年の函館大火により焼失。1916年に現在の聖堂が完成している。石積みの基礎に、赤レンガを積み、セメント・モルタル塗り、漆喰施工している。ロシア風ビザンチン様式で正方形の本堂内部を丸天井としている。正面の聖障(ICONOSTASIS)には救世主の復活や最後の晩餐を始め、イコン画が並ぶ。
大小六個の鐘の音は環境庁「日本の音風景百選」に認定されている。
外国人墓地
元町のバス停から高龍寺前のバス停までバスで移動、歩くこと数分で外国人墓地へ到着。正直な感想としては、思ったのと違う…。中には入れず、柵の外から覗けるのみ。
墓地から途中、お寺などにも寄りながら函館どっく前駅まで10分ほど歩く。歩いている最中にたくさんの猫と出会う。

函館どっく前から市電へ乗り、函館駅へ。函館駅からは空港直行バスで20分ほどで空港へ。長いような短いような、あっという間の初北海道だった。