日本海と写真の旅


2014年5月17日〜2014年5月18日

1日目

福井県 浜地海水浴場

 レンタカーで東尋坊へ向かう。途中で道を間違えたらしく、田んぼの中を走る。思ったより走りやすく、色々な景色が見れて面白かった。
 いよいよ東尋坊が近づいてくるとどきどきしていると、前に日本海が広がった。おぉと喜ぶもつかの間、白い波が高くあがって驚く。この日、快晴ではあるも、風が強く、非常に波が高いようだ。浜地海水浴場の駐車場にとりあえず車をとめ、写真を撮る。波がこんなに高いとは。

東尋坊

 気を撮り直し、最初の目的であった東尋坊へ。昔来たことがあると思うのだけれど、なんだか覚えているのと、違う。岩場は少し転びそうで怖いけれど、思ったより安定している。白くて高い波と、淡い青緑の海がすごく綺麗だった。北側には雄島が見えて、赤い橋が絵みたいだ。
 景色を楽しんだ後は、いかにも観光地らしい食事処で昼食。海鮮丼!美味しいけれど、見ために騙された。ごはん、ちょっと少ない…。

雄島

 東尋坊から見えていた雄島へ。島へは赤い欄干の橋が一本。波の音を聞きながら島へと歩いて渡る。島の入り口は狭くて鳥居があるだけ。地図を見ると、どうやら森の中を歩くような形になっているようだ。せっかくだからと一周することに。
 石の階段をのぼると、先ほどまでが嘘みたいに人の気配がなくなって、しんとしている。静かな森の中に、遠くで波の音が聞こえる。木漏れ日の差し込む森の中は薄暗くて、けれど隙間を通り抜けた光で、葉がそれだけ輝いていた。その時の気持ちはもう、言葉にできないし、感動したといっても何か足りない。
 森の中を歩いていくと、比較的新しく見える神社の拝殿がある。しかし蜘蛛の巣。あまり人の出入りはなさそうだ。お参りをしてから更に奥へと進んでいくと、木のトンネルみたいになっていて、それを抜けると岩場と海が広がった。

 柱状節理の岩場は東尋坊と同じなのだけれど、ほとんど人がいないのと、あまり整備されていないこともあって、全然違う場所みたいだった。風が強くて波が高くて、高い岩場にいるはずなのに海にさらわれそうだ。…とか思っていたら、水溜りにはまって、滑って転んだ。気を取り直して写真撮影に励み、これが灯台か?と思いながら森の中へ戻る。森の中の光景だけ見ていたら、すぐそこが海とはとても思えない。不思議な幹の木や、草で隠された道を歩く。
 そして階段を下りて島を出る。ああ、なんだか違うところへ行っていたんだと思った。

越前松島

 
 その美しい光景が松島と似ているからと名付けられたらしい。確かに美しい…というか、あまりにも波が高く、駆けられた小さな橋にまで波が届いているものだから、なんだか怖い。穏やかな日であれば、また違う景色が見られたのだろうけれど。岩に打ち付けられて白い波しぶきが跳ぶのを見ていると、自分が海の中に吸い込まれそうな錯覚を覚える。
 人がいなかったこともあって、小さな洞窟の中に波の音が響くと、怖くなってきた。

加賀温泉郷

 加賀温泉駅前の加賀市美術館で、加賀市写真協会の写真展が開催されていたのでぶらりと立ち寄る。
 宿へ行き、温泉に入って、ゆっくり。温泉街はあまりにもお店がしまっていて、夜ご飯どうしようと思った。


2日目

福岡

 石川県から富山県へ移動。今回の旅の目的地その2であるミュゼふくおかカメラ館へ。安藤忠雄設計の写真館。鉄道写真家中井精也さんの「1日1鉄!」が開催されていて、とても良かった。こういう写真、撮りたい。
 特別展以外にも、カメラの展示等もあってとても面白かった。カメラ好きにはたまらない!

高岡

 JRで福岡駅から高岡駅へ。氷見線の電車まで時間があったので、高岡大仏を見に行く。町中の小さな公園に普通に大仏がいる。高岡市の指定文化財。高岡は銅器製品の産地らしい。奈良、鎌倉と並ぶ日本三大仏だそうな。

氷見線

 高岡駅から氷見線で雨晴海岸へ。2両編成の電車は、ラッピングカーで、昔からの懐かしい雰囲気に浸りたかったな、とちょっと残念に思う。
 しばらく電車に揺られていると、電車が北向きから西向きにかわり、左手に富山湾が広がる。電車のすぐ側が海で、とても素敵な車窓だ。
 雨晴の駅に到着。既に車窓から海の景色を楽しんでいただけに、うきうきしながら海岸へ。本当に素敵な名前の海岸だなぁ。この日も風が強いけれど快晴で、富山湾の向こう側に立山連峰が薄く淡く見えていて、思っていた以上に写真日和だった。
 海の写真撮影の後は、氷見線を撮る。本数の少ない電車の撮影は本当に難しいなぁ。贅沢にも立山連峰と海と女岩と電車を入れたいと思ったもんだからごちゃごちゃした構図になってしまった。うまくいかないなぁ。でも楽しいなぁ!

感想

 波と天気に恵まれた旅だったなぁ。とにかくたくさんの写真が撮れて、撮りたいと思える素敵な景色に出会えて、とてもよかった。今度はまた、違う気候、違う季節に行ってみたいなぁ。