彼はなぜ日本近代陶芸の巨匠なのか

・企画展会期:2019年6月29日(土)〜2019年9月1日(日)
・会場:奈良県立美術館

展示物紹介

はじめに.富本憲吉ってどんな人?
・白磁 壺
・色絵蝶模様 飾箱
・染付自作詩句 大円陶板

1章.富本憲吉の生い立ち
・書「後世可恐」附、雛図
・書「江碧鳥愈白」
・信州野尻湖風景
・きつねのかみそり
・『異本安堵村八景』

2章.大和時代―作家としてのスタンスの確立
・楽焼草花模様蓋付壺
・楽焼薊模様コップ
・土焼 岩上に鳴く頬白図 角陶板
・土焼 黒茶碗
・土焼 刷毛目茶碗
・白磁 花器
・染付芙蓉実模様鉢
・『富本憲吉模様集』
・土焼 鉄描風になびく荻模様鉢
・赤地金彩蓼模様煎茶碗
・陶器図屏風
・染付曲る道模様角皿
・瑠璃釉トリカブト葉模様八角蓋付壺
・柿釉染付梅模様皿
・染付老松模様皿
・白磁 壺
・白磁 大坪
・白磁 茶碗

3章.東京時代―洗練される作風、そして色絵磁器へ
・染付鴛鴦模様 大食籠
・染付絵変皿
・柿釉染付魚模様 陶箱
・赤絵羊歯模様大角陶板
・色絵木蓮模様大皿
・色絵松模様飾皿
・色絵染付カーネーション模様 皿
・色絵赤更紗模様皿

4章.京都時代―終わりなき創作への意欲
・『安堵村雑感』
・色絵柘榴に詩句 円陶板
・赤地金彩染付菱模様蓋付飾壺
・色絵「雪松」字角皿
・色絵「花」字灰皿
・土焼 粟田色絵金彩羊歯模様香炉
・色絵金銀彩「風花雪月」字大飾皿
・色絵金彩菱模様香炉

5章.くらしを彩る―日用品の制作と量産の試み
・染付六角カフスボタン 一対
・染付ネクタイピン
・青磁八角帯留
・染付家形箸置
・色絵梅花模様酒杯
・染付急須
・白磁急須
・刷毛目茶碗図と詩句
・土焼鉄描銅彩曲る道模様「曲道小道」字大皿陶器
・色絵染付沢薊模様皿
・染付竹林月夜模様皿

感想

 陶芸が好きなので、やはりこれは見ておかないとと思い、見に行った。正直なところ、富本憲吉ら近代陶芸の作品はそこまで好きということではないのだけれど、入門とあるとおり、分かりやすく展示もされていて、思ったより楽しめた。
 そもそも絵付けの陶磁器がそんなに好きではないので興味が持てなかったのだけれど、展覧会で紹介されていた富本さんの考え方の中に、絵もそうだがそれを描く「形」を大切にしているというものがあって、すごくいいなと思った。確かに形そのものに着目してみると適度な丸みと安定感のあるフォルムが手元に置いて起きたくなる。
 絵も思ったより面白くて、いろんなところでモチーフとなるものを探し、それをデザイン化していろいろなところで使っていた。“大量生産”というと、どうしても安っぽいとかこだわりがないとか思ってしまうけれど、時代が変われば持つ意味も変わってきて、すばらしいものをたくさんの人が使えるというのは、そういう風に考えられるというのは、すごく素敵なことだと思った。