ギュスターヴ・モロー展
サロメと宿命の女たち
愛して、夢みる
・企画展会期:2019年7月13日(土)〜2019年9月23日(月)
・会場:あべのハルカス美術館

大阪で開催されると知って以来、楽しみにしていたので、会期が始まってすぐに行った。それなりに人は入っているけれど、流れも悪くなく、見たい作品はじっくりと見れる環境だった。想像以上にモローばかりで、モローのいろいろな作品を見ることができて、すごく、よかった。
一番見たかったのが「出現」で、これは思ったよりも大きいと印象だった。もともと本か何かで見て興味を持ったのだけれど、やはり実物を見ると迫力が違う。しかし意外だったのが、未完成であるということだ。てっきり作品として完成しているのだと思ったいた。言われてみれば他の完成された作品の方がもう少し人の姿がはっきりしているけれど。他のサロメと比べると、このサロメは随分挑戦的な表情をしているように思う。胸にある感情は定かではないが、作品ごとのサロメの違いが面白い。
今回は展示されていないけれど、同じモローの「オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘」も好きで、生きている女性と男の首というモチーフは物語性に富んでいて面白いと思う。それぞれの女性がそれぞれの表情を浮かべているのが興味深い。ファム・ファタルは実に面白いモチーフだ。