生誕110年
東山魁夷展
本当の「あお」に出会う
・企画展会期:2018年8月29日(水)〜2018年10月8日(月)
・会場:京都国立近代美術館

夜間拝観をしているということだったので、金曜日の遅めの時間に訪れた。それでもなかなかの人の多さだった。
入って最初に、喧噪を忘れるような静かな絵が迎えてくれる。どの絵も、絵の中から静かな風が吹いて来るような、不思議な雰囲気がある。前に立つと中に吸い込まれそうで、まるでその絵の中に自分が立っているかのようだ。近くで見てもそれはそれで面白いのだが、少し離れたところから見るとなお、幻想的で心地が良い。
どの絵もすごく良かったのだけれど、やはり目を奪われるのは青や緑の絵だ。その色で描かれる空や森、山は、現実の色とは全然違うのに、どこかにあるような気がする。
特に障壁画は圧巻だった。波の絵の襖絵は本当に波の音が聞こえてきそうで、お寺にあるというのも頷ける。あんな絵に囲まれて過ごしていたら、日々の出来事も雑念もどこかへ行ってしまうに違いない。
会期も終了間際だったけれど、行けて本当に良かった。