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本当の「あお」に出会う

・企画展会期:2018年8月29日(水)〜2018年10月8日(月)
・会場:京都国立近代美術館

展示物紹介

第1章 国民的風景画家
・残照  ・月宵  ・郷愁・道
・晩照  ・松庭  ・木霊
・秋翳  ・青響  ・雪降る
・黄耀

第2章 北欧を描く
・映象     ・ウプサラ風景
・フィヨルド  ・青い沼
・冬華     ・白夜光

第3章 古都を描く・京都
・月篁  ・谿紅葉  ・曙 ・池澄む ・雪の後
・京洛四季習作(春静、夕涼、照紅葉、年暮る、行く春、夏深む、谿紅葉、夏に入る、年経る樹、秋寂び、青い峡、初紅葉、北山初雪)
・京洛四季スケッチ(一力、あだし野、蔦もみじ、三玄院露地、土塀、散り紅葉、龍安寺塀、伏見の酒蔵、京の民家、東福寺庭、壬生狂言、宵山、桂離宮書院)

第4章 古都を描く・ドイツ、オーストリア
・窓    ・霧の町
・古都遠望 ・緑のハイデルベルク
・石の窓  ・静かな町
・丘の上のローテンブルク

第5章 唐招提寺御影堂障壁画
・水辺の朝
・白馬の森
・草青む
・緑響く
・唐招提寺御影堂障壁画 山雲
・唐招提寺御影堂障壁画 濤声
・桂林月夜
・黄山雨過
・唐招提寺御影堂障壁画 黄山暁雲
・唐招提寺御影堂障壁画 揚州薫風
・唐招提寺御影堂障壁画 桂林月宵
・瑞光 試作
・散華

第6章 心を写す風景画
・白い朝  ・静唱
・春兆   ・緑の窓
・霧氷の譜 ・渓音
・秋思   ・冬の旅
・行く秋  ・聖夜
・木枯らし舞う
・夕星

感想

 夜間拝観をしているということだったので、金曜日の遅めの時間に訪れた。それでもなかなかの人の多さだった。
 入って最初に、喧噪を忘れるような静かな絵が迎えてくれる。どの絵も、絵の中から静かな風が吹いて来るような、不思議な雰囲気がある。前に立つと中に吸い込まれそうで、まるでその絵の中に自分が立っているかのようだ。近くで見てもそれはそれで面白いのだが、少し離れたところから見るとなお、幻想的で心地が良い。
 どの絵もすごく良かったのだけれど、やはり目を奪われるのは青や緑の絵だ。その色で描かれる空や森、山は、現実の色とは全然違うのに、どこかにあるような気がする。
 特に障壁画は圧巻だった。波の絵の襖絵は本当に波の音が聞こえてきそうで、お寺にあるというのも頷ける。あんな絵に囲まれて過ごしていたら、日々の出来事も雑念もどこかへ行ってしまうに違いない。
 会期も終了間際だったけれど、行けて本当に良かった。