ルソー、想像力の旅。
モネ26歳、印象派の序章。

・企画展会期:2018年7月21日(土)〜2018年10月14日(日)
・会場:国立国際美術館

展示物紹介

第1章 近代風景画の源流
・クロード・ロラン「エウロペの略奪」
・アダム・フランス・ファン・デル・ムーラン工房「ルイ14世の到着、ヴァンセンヌ」
・ジャン・バティスト・マルタン(ナミュール包囲戦、1692年)
・ニコラ・ランクレ「森のはずれの集い」
・ジャック・ド・ラジュー「狩猟後の休息」
・クロード=ジョゼフ・ヴェルネ「日の出」「日没」
・ユベール・ロベール「水に囲まれた神殿」「ついに開いた牢屋から(春の祭日)」
・ウジェーヌ・ルイ・ガブリエル・イザベイ「ムーア式の入口」

第2章 自然への賛美
・ジャン=バティスト=カミーユ・コロー「夕暮れ」「嵐、パ=ド=カレ」
・ギュスターヴ・クールベ「水車小屋」「山の小屋」

第3章 大都市パリの風景画
・ピエール=オーギュスト・ルノワール「庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰」
・ルイジ・ロワール「パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)」
・ジャン=フランソワ・ラファエリ「サン=ミシェル大通り」
・エドゥアール=レオン・コルテス「夜のパリ」

第4章 パリ近郊―身近な自然へのまなざし
・クロード・モネ「草上の昼食」「陽だまりのライラック」「ジヴェルニーの積みわら」「白い睡蓮」
・アルフレッド・シスレー「霜の降りる朝、ルーヴシエンヌ」「フォンテーヌブローの森のはずれ」
・ポール・セザンヌ「ポントワーズの道」
・アルベール=シャルル・ルブール「河のほとり」
・アンリ・マティス「ブーローニュの森」
・モーリス・ド・ヴラマンク「小川」「オーヴェールの風景」
・パブロ・ピカソ「庭の家(小屋と木々)」

第5章 南へ―新たな光と風景
・アルマン・ギヨマン「廃墟のある風景」
・ポール・セザンヌ「庭園の木々」「サント=ヴィクトワール山の平野、ヴァルクロからの眺め」「サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め」
・アンドレ・ドラン「港に並ぶヨット」
・オトン・フリエス「カシスの木々」

第6章 海を渡って/想像の世界
・ポール・ゴーガン「マタモエ、孔雀のいる風景」
・モーリス・ドニ「ポリュフェモス」
・アンリ・ルソー「馬を襲うジャガー」
・ジャン・リュルサ「東方の風景」
・レオポルド・シュルヴァージュ「赤い人物のいる風景」

感想

 ルソーが見たくて行ったのだけれど、みごとに風景画ばかりの展覧会だった。
 ルソーの「馬を襲うジャガー」は、ジャガーを襲う馬にしか見えなくて、馬のきょとんとしたつぶらな瞳には悲壮感もないし切迫感もない。どれだけ見てもジャガーの体がどうなっているのかよく分からないし、草木もどういう造りになっているのか首を傾げるところがあった。ただ、ひとつひとつの対象がとても丁寧に描かれているように思え、ルソーは絵を描くことを大事にしていたんじゃないかなと感じた。
 もうひとつ、目玉になっていたのがモネ。「草上の昼食」はモネの初期の頃の作品だと知って、確かに晩年の睡蓮とかとは全然違うなと思った。女の人の顔色が悪いのと、体のバランスが妙な感じがするのが気になった。モネは人より風景のイメージが強いし、やはりいかにも印象派!という絵の方が好きかもしれない。