-雪村作品一挙公開!-

・企画展会期:2018年5月25日(金)〜2018年7月1日(日)
・会場:大和文華館

展示物紹介

鎌倉・南北朝時代
・羅漢図
・白衣観音図(愚渓右慧)
・竹雀図(可翁)

室町・桃山時代
・維摩居士像(文清)
・山水図屏風(伝周文)
・観音図
・布袋図(仲安真康)
・豊干寒拾図(遮莫)
・雪舟像
・瀟湘八景図画帖(鑑貞)
・奔湍図(伝狩野元信)
・瀑布図(伝狩野元信)

雪村作品一挙公開!
・呂洞賓図
・花鳥図屏風
・潭底月図
・自画像
・楼閣山水図
・書画図
・孔子観欹器図

江戸時代
・雪舟写山水図(尾形光琳)
・鶴図(尾形光琳)
・雲龍図扇面(尾形光琳)
・光琳筆銹絵山水文四方火入(尾形乾山)
・光琳筆銹絵菊図角皿(尾形乾山)
・釣瓶に鶏図(伊藤若冲)
・鱈図(円山応挙)
・殿様蛙行列図屏風(渡辺南岳)
・澗泉松声図(浦上玉堂)
・竹図(司馬江漢)
・蘭石図(司馬江漢)

感想

 展示スペースは一室だけの、こじんまりとした美術館なので、一点一点を集中してじっくりと味わうことができた。水墨画ということで、どの作品も筆遣いや墨の濃淡を見るのも面白い。
 見たかったのは、雪村周継の絵。有名な「呂洞賓図」は、なんとなくのイメージしかなかったのが、こういう絵だったのか!という驚きが嬉しかった。龍に乗った男の人が、右手に瓶の蓋を、左手に水瓶を持ち、そこからふわふわと龍が立ち上っている。更に右上空には暗雲のように龍。その人自身から風が吹き出しているかのような表現も面白い。部分部分によって筆遣いが全然違うのも見どころだ。
 初めて見た絵としては「潭底月図」が面白かった。絵、というか、書画、というか、豪快に書かれた「潭底月」の文字が、底に映っている月にのみ囚われるなという主題にぴったりで力強かった。
 雪村以外では、伝狩野元信の「奔湍図」と「瀑布図」が面白い。狩野派の絵と言えばどうも岩肌や松なんかが浮かんでしまうのだけれど、この2作品は水に焦点が当たっていて、その表現に迫力があった。
 行こうかどうか迷っていた展覧会だったけれど、本当に行ってよかった。とても楽しかった。