大和文華館の水墨画
-雪村作品一挙公開!-
・企画展会期:2018年5月25日(金)〜2018年7月1日(日)
・会場:大和文華館
展示スペースは一室だけの、こじんまりとした美術館なので、一点一点を集中してじっくりと味わうことができた。水墨画ということで、どの作品も筆遣いや墨の濃淡を見るのも面白い。
見たかったのは、雪村周継の絵。有名な「呂洞賓図」は、なんとなくのイメージしかなかったのが、こういう絵だったのか!という驚きが嬉しかった。龍に乗った男の人が、右手に瓶の蓋を、左手に水瓶を持ち、そこからふわふわと龍が立ち上っている。更に右上空には暗雲のように龍。その人自身から風が吹き出しているかのような表現も面白い。部分部分によって筆遣いが全然違うのも見どころだ。
初めて見た絵としては「潭底月図」が面白かった。絵、というか、書画、というか、豪快に書かれた「潭底月」の文字が、底に映っている月にのみ囚われるなという主題にぴったりで力強かった。
雪村以外では、伝狩野元信の「奔湍図」と「瀑布図」が面白い。狩野派の絵と言えばどうも岩肌や松なんかが浮かんでしまうのだけれど、この2作品は水に焦点が当たっていて、その表現に迫力があった。
行こうかどうか迷っていた展覧会だったけれど、本当に行ってよかった。とても楽しかった。