これは魔術か芸術か?彼は畸人か天才か?

・企画展会期:2018年3月21日(水)〜2018年5月27日(日)
・会場:佐川美術館

展示物紹介

ハンス・フォン・アーヘン
『ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像』
『パリスの審判』

ジュゼッペ・アルチンボルト
『ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世』

ルーラント・サーフェリー
『動物に音楽を奏でるオルフェウス』
『2頭の馬と馬丁たち』

バルトロメウス・スプランガー
『ヘラクレスとオムパレ』

ヤン・ブリューゲル(父)
『陶製の花瓶に生けられた小さな花束』

作者不詳
『バベルの塔』
『デンマークの天文学者テイコ・ブラーエの肖像』

驚異の部屋
蓋付き杯、貝の杯、時計

感想

 どちらかというと常設展が見たくて訪れたけれど、企画展はこれはこれで面白かった。アルチンボルトの絵は前に見たことがあったけれど、見れば見るほどおかしな絵だ。こんな風に描かれて気に入った皇帝は懐が深いと思った。今まで意識していなかった画家としては、ルーラント・サーフェリーの絵が好きだった。板に描かれた油絵で、さっぱりとした面だが、明暗がはっきりとしているのと、動物の細かな表現が綺麗だった。
 念願の所蔵品展については、やはり楽焼が素晴らしかった。『Black RAKU 樂吉左衞門の黒』として展示を行っており、つややかな黒の釉薬や、ざらっとした素地の色、質感がとても良かった。ごつごつとしていて、実用的かと言われればそうではないのだろうけれど、手に持ったらひやりとしつつもずしりと手になじむのだろうか、などと想像してしまった。