怖いの?楽しいの?不思議なの?

・企画展会期:2017年5月20日(土)〜2017年7月9日(日)
・会場:兵庫県立美術館

展示物紹介

第1章 15-17世紀のフランドル美術
・ヒエロニムス・ボス工房「トゥヌグダルスの幻視」
・ヤン・マンデイン「聖クリストフォロス」「パノラマ風景の中の聖アントニウスの誘惑」
・ピーテル・ブリューゲル(父)「聖アントニウスの誘惑」「忍耐」「大きな魚は小さな魚を食う」「冥府へ下るキリスト」「激怒」「怠惰」「希望」「正義」
・ダーフィット・テニールス「聖パウロを訪ねる聖アントニウス」
・ペーテル・パウル・ルーベンス「救世主イエスのモノグラムが現れた煉獄」「反逆天使と闘う大天使聖ミカエル」「悪魔たちから貶められ、妻から苛まれるヨブ」「ライオン狩り」

第2章 19世紀末から20世紀初頭のベルギー象徴派・表現主義
・フェリシアン・ロップス「舞踏会の死神」「冷たい悪魔」「略奪」「偶像」「ゴルゴダの丘」「毒麦の種を蒔くサタン」「生贄」「至高の悪徳」「娼婦政治家」
・フェルナン・クノップフ「捧げもの」「顔を覆うマルグリット」「もう、けっして」「女性習作」「メデューサの血」
・ジャン・デルヴィル「ステュムパーリデスの鳥」「赤死病の仮面」「レテ河の水を飲むダンテ」
・ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク「運河」「黒鳥」
・ヴァレリウス・ド・サードレール「フランドルの雪」
・ジェームズ・アンソール「ゴルゴダの丘」「愛の園」「キリストの誘惑」「人々の群れを駆り立てる死」

第3章 20世紀のシュルレアリスムから現代まで
・ポール・ヌジェ「イメージの転覆」
・ポール・デルヴォー「水のニンフ」「女性と骸骨」「海は近い」
・ルネ・マグリット「虚ろな目」「前兆」「夢」「観光案内人」「レディ・メイドの花束」「マグリットの孤児たち」「9月16日」
・マルセル・ブロータールス「猫へのインタビュー」
・レオ・コーペルス「ティンパニー」
・ウィム・デルヴォワ「プレッツェル」
・ティエリー・ド・コルエディエ「狂った森、No.1」
・パトリック・ファン・カーケンブルフ「2007-2014年、冬の日の古木」
・リュック・タイマンス「磔刑図」
・ヤン・ファーブル「フランダースの戦士(絶望の戦士)」「第14章」
・トマス・ルルイ「無限」「生き残るには脳が足らない」

感想

 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで、と銘打った展覧会。が、ボスの絵はほとんどなくて、ちょっと悲しい。ただ、ボス以降の絵の、ボスからの影響力がすごい。
 絵は奇想で幻想的で、よく考えれば怖いのだけれど、なんだか愛嬌があるようにも見えてとても不思議だ。
 第1章、第2章は西洋の宗教や文化、物語を知っているともっと楽しめそう。キリスト教の影響は本当に大きいのだなと思う。ブリューゲルやルーベンスのイメージが少し変わった。クノップフの両性具有的な人物がとても綺麗だと思う。デルヴィルの絵も綺麗だ。作品によってかなり雰囲気が違うけれど、一番好きだなと思ったのは「レテ河の水を飲むダンテ」で、やわらかい色彩がいい。
 第3章では、マグリット以外あまり知らない人ばかりだったけれど、面白かった。デルヴォーの「海は近い」は、綺麗だけど不穏で、ひとつひとつの形は分かるのに、全体が何かよく分からないからこそ不安になる。
 色々な作品を見ることができて、とても楽しかった。