ミュシャ展
たどり着いたのは、故郷への想い。
・企画展会期:2017年3月8日(水)〜2017年6月5日(月)
・会場:国立新美術館

とにかくすごかった。入ってすぐにスラヴ叙事詩の展示会場となっており、3つのコーナーに分かれて大きな作品が展示されている。大きいということは知っていたが、ここまで大きいとはと圧倒された。
ひとつひとつの作品を見ていくと、まずその描写の美しさに息を飲む。これだけの大きさの絵を、こんなにも丁寧に描けるのかと感嘆。どの絵も綺麗なのだが、やはり1作目「原故郷のスラヴ民族」が一番好きだ。青色の表現が本当に綺麗で、見れば見るほど引き込まれる。物悲しいような、切ないような気持ちになる。
タイトルにもなっている人物以外に目線が行くような仕掛けであったり、まるで透明なガラスに二重に描かれたような明暗の表現もあったり、それぞれの絵に色々な表現があって面白い。他にも特に気に入った作品はいくつかあったけれど、やはり20点という連作のもつ力がすさまじい。それだけに、ミュシャがこの叙事詩にこめたメッセージの大きさを感じる。スラヴ民族のことはほとんど知らないし、世界史も苦手なので、背景の知識がほとんどないのが悔やまれる。
スラヴ叙事詩以外の作品は、以前堺の美術館で見たことがあるものもあって、新鮮という感じはなかったけれど、やはり素敵だなと思う。スラヴ叙事詩のメッセージ性との対比が面白くもある。