2016 --

瀬戸内国際芸術祭2016概要

会期
・2016年3月20日(日)〜4月17日(日)
・2016年7月18日(月)〜9月4日(日)
・2016年10月8日(土)〜11月6日(日)

会場
直島 / 豊島 / 女木島 / 男木島 / 小豆島 / 大島 / 犬島 / 沙弥島 / 本島 / 高見島 / 粟島 / 伊吹島 / 高松港・宇野港周辺

豊島美術館

 港から自転車で坂をぐいぐい上った丘の上にある、内藤礼と西沢立衛による美術館。水滴のような形をした建物の中には白くて広い空間が広がり、柱もなく、天井に2カ所ある開口部から光が入る。

母型/内藤礼

 地面から1滴1滴と水が湧きだし、それが重なりあって地面を流れて、途中でとどまって、また流れてきた水と重なって流れて、と繰り返している。同じ道筋を辿るものもあれば、思いがけない方向へいくものもある。微かな傾斜と重力と空気の揺れで変わるのだ。ただ水が細く漂っているだけなのに、魅入られてしまって、いくらでも眺めていられる。他の人も、思い思いの場所で座ったりしながらのんびりとそれを眺めていた。

瀬戸内国際芸術祭

唐櫃地区

心臓音のアーカイブ
クリスチャン・ボルタンスキー
 暗く明滅する部屋に入ると、たくさんの人の心臓の音が、まるで太鼓みたいに打たれている。何かよく分からない迫力がある。

空の粒子
青木野枝

あなたの最初の色(私の頭の中の解[ソリューション]-私の胃の中の溶液[ソリューション])
ピピロッティ・リスト
 小さな小屋のような建物の上部に浮かぶ円形の画面に映像が映し出されている。不思議な映像が、映し出された画面の形でより不思議になっていた。

島キッチン
安部良

ささやきの森
クリスチャン・ボルタンスキー
 山をのぼり、森を進んでいくと、風鈴の森にたどり着く。風鈴につけられた透明な短冊には誰かの大切な人の名前が書かれている。希望すれば大切な人の名前を残すこともできる。

檸檬ホテル
スマイルズ
 イヤホンガイドのようなものを貸し出され、その案内に従って進んでいく。愉快な場所だった。愉快なことを真剣にすることがなお愉快である。

ストーム・ハウス
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー
 薄暗い家の中に入ると、窓の外は嵐になっている。光や音、影絵のような映像に囲まれて、嵐の中に取り残されたような心細さを感じた。

甲生地区

豊穣:海のフルーツ/豊穣:山の恵
ケグ・デ・スーザ

豊島八百万ラボ
スプツニ子!
 改修設計した民家で、神社と研究室をイメージした2部屋がある。映像とその関連作品。古事記に登場する豊玉姫から着想された映像はポップな音楽と合わさってユーモアたっぷり。

遠い記憶
塩田千春
 もともと学校か何かの講堂だったという建物を利用した作品。朽ちていくというその流れを見ているような気がする。知らない場所なのに懐かしくもあり、物悲しくもあり、留めたいような、そうでもないような、なんとも心に響いて来る場所だ。

家浦地区

豊島横尾館
横尾忠則
建築は永山祐子。展示会場は倉、母屋、納屋の3つに分かれる。他に「庭のインスタレーション」「トイレのインスタレーション」「滝のインスタレーション」がある。色セロファンの中にいるような、色彩が歪められたような感覚があった。
倉:「天ニアルモノヲ見ヨ」「死の島」「Aurora」
母屋:「望郷の湯」「死の島 ベックリンに基づくII」「原子宇宙」「宇宙的狂気愛」「網膜が見た夢II」「紫の胎動」
納屋:「メランコリア」「葬の館」

感想

 島はそこまで広くはないけれど、徒歩では周れないので電動自転車で周った。坂もあるので、電動でないと辛い。電動すごい。
 豊島に上陸した時には小雨だったので、大丈夫だろうと思ったけれど、途中から本降りになって、自転車なので上手に傘もさせないし、雨合羽はないしで、風邪をひくかと思った。
 もっとたくさん周りたかったのだけれど、雨に濡れて疲れ切ってしまったのと、船に乗れなくても困るのでかなり早くに船のチケットをもらいに並ばなければいけなかったのとで、硯地区と、家浦地区がほとんど周れなくて心残り。
 芸術祭ということでそれなりに人もいたけれど、混雑というほどではない。外国の人も結構いて、ランチは相席になった外国の人にお箸の使い方を教えるという初めての経験をした。
 もう少し時期をずらしていけば違う雰囲気があるのかもしれないなと思った。また行きたい。