・企画展会期:2015年1月24日(土)〜2015年4月5日(日)
・会場:兵庫県立美術館

フェルディナント・ホドラー

Ferdinand Hodler、1853年3月14日 - 1918年5月19日
スイスを代表する画家。19世紀末から20世紀にかけて活躍し、装飾的、象徴主義的な作風。リズムのある画面構成、平行性等の特徴をもつ。

展示物紹介

1.光のほうへ―初期の風景画
・レマン湖畔の柳
・小さなプラタナス
・マロニエの木々

2.暗鬱な世紀末?―象徴主義者の自覚
・怒れる人
・サン=ピエール大聖堂での祈り
・ルイーズ=デルフィール・デュショーサルの肖像
・アハシュエロス(永遠のユダヤ人)

3.リズムの絵画―踊る身体、動く感情
・オイリュトミー
・感動
・感情III
・昼III
・延宝からの歌III
・恍惚とした女

4.変幻するアルプス―風景の抽象化
・シェーブルから見たレマン湖
・冬のトゥーン湖とシュトックホルン山脈
・シャンペリーの渓流

5.リズムの空間化―壁画装飾プロジェクト
・全員一致
・木を伐る人

6.無限へのまなざし―終わらないリズムの夢
・<無限へのまなざし>のための単独像習作
・<無限へのまなざし>のための人物像習作

7.終わりのとき―晩年の作品群
・バラのある自画像
・ヴァランティーヌ・ゴデ=ダレルの肖像
・バラの中の死したヴァランティーヌ・ゴデ=ダレル
・白鳥のいるレマン湖とモンブラン

感想

 フェルディナント・ホドラーという人をそもそも知らなくて、ただ、スイス国交樹立150周年記念ということで最近スイス関連の美術が取りあげられることが多い中で知った。たまたまチケットをいただく機会があったので行っただけで、正直さほど期待もしていなかった。
 けれど、予想以上という感想。風景画もあれば肖像画、人を配列された絵などがあったが、解説にあったように音楽を感じさせる絵だ。特に好きだったのが、「小さなプラタナス」。これはぽつんと立つプラタナスの絵で、無言の存在感のようなものがある。空の色がとても好みで、純粋に美しい絵だと思った。それから「3.リズムの絵画―踊る身体、動く感情」の作品群。パンフレットなどで見ていたよりずっと、音楽的だ。単に並べただけではない、それぞれの人の動きや配置があって、和音みたいだった。構成から感じるリズムもあれば、体の動きから発せられるメロディーもある。独特の色合いは、自分の好みとは少し違っていたのだけれど、表現されているものにはとても惹きつけられた。