・会期:2014年1月11日(土)〜4月6日(日)
・会場:神戸市立博物館

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー

1775−1851年
 イギリスのロマン主義を代表する画家。理髪師の子として生まれる。26歳でロイヤル・アカデミーの正会員となる。
 初期は写実的な風景画が多いが、その後数度の画風の転機がある。
 作品の多くはロンドンのナショナル・ギャラリーやテート・美術館にある。今回はロンドンのテート美術館から、油彩画、水彩画、スケッチ等計113点を展示している。

展示物紹介

○初期
・ターナーの自画像
・月光、ミルバンクより眺めた習作

○「崇高」の追求
・バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨
・グリゾン州の雪崩
・エジプトの第十の災い:初子の虐殺

○戦時下の牧歌的風景
・鉄の値段と肉屋の小馬の装蹄料を巡って言い争う田舎の鍛冶屋
・スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船
・イングランド:リッチモンド・ヒル、プリンス・リージェント(摂政王太子)の誕生日に

○イタリア
・ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ
・チャイルド・ハロルドの巡礼
・レグルス

○英国における新たな平和
・ペットワースの庭園の鹿

○ヨーロッパ大陸への旅行
・ルーアンの帆船
・北より望むルクセンブルク

○ヴェネツィア
・ヴェネツィア、嘆きの橋
・サン・ベネデット教会、フジーナ港の方角を望む

○色彩と雰囲気をめぐる実験
・にわか雨
・黄色い砂浜の上の青い月影

○後期の海景画
・オラニエ公ヴィレム3世はオランダを発ち、荒海を越えて1688年11月4日にトーベイ上陸
・捕鯨船員たち

○晩年の作品
・戦争、流刑者とカサ貝
・平和―水葬
・湖に沈む夕陽

感想

 事前にターナーについての本を読んでから展覧会へ行った。ターナー尽くしで、本で見た絵がたくさんあった。
 どちらかと言うと、ターナーの作品では中後期の頃のイメージが強く、たとえば「雨、蒸気、速度−グレート・ウェスタン鉄道」等がすごく好きだった。印象派につながるような作品のイメージが強かっただけに、初期の頃の写実的な絵が新鮮で、原点があったからこその挑戦だったのだなと思った。けれどやはり好きなのは後期の作品で、淡いようで印象的な色彩が好きだ。
 今まで知らなかった作品も、やはり好きだと思えた作品もたくさんあって、楽しい展覧会だった。