・会期:2009年10月10日(土)〜12月13日(日)
・会場:国立国際美術館

展示作品

・二つの石
・二つの輪
・バグダッドの葡萄の木
・舟
・鷲
・ゼロ時間
・イリデ
・ゼノビア
・蜻蛉
・詩人の家
・緑の影
・二つの円錐
・長椅子
・空の井戸
・ミューズの部屋
・縦の目
・オーロラの向かう所―柱の森
・蝶の木
・夢うつつのセリヌンテ

感想

 今回はあたりだなと思った。特に「オーロラの向かう所―柱の森」がよかった。暗い部屋に大理石が林立して、奥に一筋光が見える。ほとんど真っ暗だから目が慣れるまではなにか柱みたいなのがあるなぁというくらいでそれがだんだん見えてくる。静謐な空間で、たとえば空気とか光とか、手に触れて確かめられないものを感じたような気持ちになった。
 あとはゼロ時間とか、空の井戸とかもよかった。空の井戸は建物内よりも建物外の方がよさそう。出口のところに写真があった。
 最初の挨拶のところに書いてあった、「イデア」の話が印象深かった。長澤さんのいうイデアは「眼には見えず、万物や宇宙に根源的に内在しているもの」だそう。ニュアンスはプラトンのいうイデア論とそんなに違うわけではないと思うが、プラトンはそれは感覚によっては捉えられず理性で認識すると言っているのに対し、長澤さんは芸術作品からイデアに至ろうとしているように思う。もしもそうであるなら理性でなく感覚によって捉えようとしているのであって、それはプラトンのいうイデア論とは正反対なのかもしれない。などということを考えた。