西大寺

山号:勝宝山
宗派:真言律宗総本山
本尊:釈迦如来

歴史

 784年(天平宝字8年)に称徳天皇が四天王の造立を発願したことに始まる。造営は翌年からおよそ15年にわたり続けられ、面積約31町(約48ヘクタール)と広大な境域。
 平安時代に衰退し、鎌倉時代、叡尊によって復興された。その後室町時代の兵火等で堂塔を失い、現在の伽藍はすべて江戸時代以降の再建。
 現在は境内、奥ノ院等が国指定の史跡となっている。

伽藍

本堂

1808年(文化5年) 重要文化財
 寄棟造本瓦葺。土壁を施さず、総板壁による。江戸時代後期の大規模仏堂建築の代表作。光明真言堂ともいう。

塔跡

 奈良時代に建てられた東西の塔のうち、東塔跡。

愛染堂

1年(慶6年) 重化財
 京都御所の近衛公正所御殿を移築したもの。

四王堂

1674年再建
 創建期の由緒を伝える唯一の堂であるが、再三焼失し、現在のものは江戸時代に再建された。

聚宝館

奈良時代から鎌倉時代等の寺宝を展示している。

仏像

本尊 釈迦如来立像

1249年 重要文化財
 興作菩薩の発願による善慶の作。京都清涼寺の釈迦像の模刻。

文殊菩薩騎獅像及四侍者像

1302年 重要文化財
 興正菩薩の13回忌に遺弟らによって造られた文殊五尊像。

愛染明王坐像

鎌倉時代 重要文化財
 愛染堂に安置されている1尺ばかりの坐像。通常は秘仏として厨子内に安置されており、衣紋に金や真紅の彩色が残る。宝瓶蓮華に坐し、弓と矢を持ち、頭髪を逆立てて両目を見開く憤怒の顔。
 像内から見つかった造立願文等から、1247年に叡尊が願主となり、善円が造ったものと分かる。
 寺伝によれば、元弘の役の際、明王の持つ鏑矢が西へ飛び、敵を敗退させたという。

十一面観音菩薩立像

1289年 重要文化財
 丈六以上の大像。京都から移安された本格的な藤原彫刻。長谷式十一面観音像で錫杖を持つ。

四天王立像及鬼

平安・鎌倉・室町時代 重要文化財
 創建当初唯一の造像。災禍により後に再興されたが、増長天の足元の邪鬼のみ天平時代のもの。像本体は鎌倉時代及び室町時代の作。

行事

大茶盛式

1月15日、4月第二日曜と前日の土曜日、10月第二日曜
 興正菩薩が1239年正月の御修法の結願に際し、鎮守八幡に参詣献茶し、その余服を施したことにはじまる。

アクセス

奈良県奈良市西大寺芝町1丁目
近鉄大和西大寺駅下車徒歩約3分