法華寺

山号:なし
宗派:光明宗
本尊:十一面観音菩薩

歴史

 正式には法華滅罪寺といい、大和の三門跡尼寺に数えられる。総国分尼寺として国分尼寺を総括。
 藤原不比等の旧邸宅を光明子が皇后宮とし、745年(天平17年)に宮寺となる。
 1180年(治承4年)の平重衡の南都焼討ちで被害を受けた後、重源が堂塔を再建。鎌倉時代に叡尊も復興に尽力するが、1408年(応永15年)に西塔が焼失。その後も兵火や大地震で、金堂や、創建当初からの唯一の遺構であった東塔が倒壊。

伽藍

本堂

1601年(慶長6年) 重要文化財
 豊臣秀頼と淀殿が片桐且元を奉行として再建。寄棟造本瓦葺。桁行七間梁間四間。もとは講堂と呼ばれていた。

南門

桃山時代 重要文化財
 切妻造本瓦葺。

鐘楼

桃山時代 重要文化財
 二層建。上層に鐘を吊る袴腰付き鐘楼。

から風呂

重要有形民俗文化財
 光明皇后が千人の垢を流したと伝えられている蒸し風呂。現在の遺構は室町時代後期に改築されたものだが、敷石の一部には天平時代のものが残されている。

その他

・赤門
・客殿
・横笛堂
・本坊書院
・仙洞うつしの庭園(江戸時代初期 国史跡名勝)

仏像

本尊 木造十一面観音立像

平安時代 国宝
 インドの彫刻家問答師が光明皇后の姿を写してつくったと言われる。檀像様式を受け継いだカヤ材素木の一木造で、蓮葉の光背を負う。翻波式衣文や量感のある造りには平安初期彫刻の特徴が表れている。

阿弥陀三尊及童子像、絹本着色掛幅装三幅

平安時代末〜鎌倉時代初期 国宝
 阿弥陀如来は雲上の紅蓮華座に結跏趺坐し、両手を胸前で転法輪印を結び、朱衣をまとう。観音・勢至両菩薩は湧雲に駕す。光明皇后の枕仏と伝えられている。

その他

・木心活漆維摩居士坐像(奈良時代末〜平安時代初期 重要文化財)
・木造二天頭(奈良時代末〜平安時代初期)
・木造仏頭(鎌倉時代)
・阿弥陀如来立像(鎌倉時代)
・四臂不動明王(鎌倉時代)

アクセス

奈良県奈良市法華寺町882
近鉄新大宮駅より徒歩約20分