白毫寺
山号:高円山
宗派:真言律宗
本尊:阿弥陀如来坐像
歴史
高円山のふもとに天智天皇の第七皇子である志貴皇子の離宮があり、その山荘を寺としたと伝えられている。創建には諸説あり、定かでない。
「南都白毫寺一切縁起起」によれば、鎌倉中期に西大寺で真言律宗を起こした叡尊が再興、整備したとある。1261年(弘長元年)叡尊の弟子道照が宋より大宋一切経の摺本を持ち帰り、一切経転読の基を開き、以来一切経寺と呼ばれる。
堂宇は1497年(明応6年)に古市、筒井の戦乱で焼失するなどされたが、江戸寛永年間に空慶上人により再興される。
境内には県天然記念物、樹齢約400年の五色椿がある。
伽藍
本堂
江戸時代 奈良市指定文化財
17世紀前半の百毫寺再興時の建立と見られる。奈良時代以来の三間四面の形式を引き継ぐ復古的様式。
仏像
本尊 阿弥陀如来坐像
平安〜鎌倉時代 重要文化財
定朝様式。檜材寄木造。
地蔵菩薩立像
鎌倉時代後期 重要文化財
檜材寄木造。錫杖と宝珠を持つ。当初の光背、台座が残り、彩色や切金も多く残っている。
伝・文殊菩薩坐像
平安時代初期 重要文化財
檜一木造。この寺で最古の仏像。
閻魔王坐像
鎌倉時代 重要文化財
寄木造。元あった閻魔堂の本尊。
太山王坐像
鎌倉時代 重要文化財
閻魔王と一対の作。体内に当初の墨書があり、1259年(正元元年)大仏師法眼康円の作と分かる。
興正菩薩叡尊坐像
鎌倉時代 重要文化財
百毫寺の中興の祖でもある叡尊の像。寄木造彩色像。
司命・司録像
鎌倉時代 重要文化財
閻魔王、太山央の眷属。虎の皮を敷いた椅子に腰かける。司命は筆と木札を持ち、司録は書巻(欠失)を持つ。康円一派の作。
勢至菩薩・観音菩薩
室町時代
現在は本堂の阿弥陀如来坐像の脇侍。倭坐りの像。
アクセス
奈良県奈良市白毫寺町
近鉄奈良駅より市内循環バス高畑下車徒歩約20分
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