名古屋市市政資料館(旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎)

設計監督:司法省営繕課(主任:金剌森太郎、山下啓次郎)
1922年
重要文化財(1984年5月21日指定)
煉瓦及び鉄筋コンクリート造3階建

概要

 現存する最古の控訴院建築であり、丸屋根の塔屋を持つネオ・バロック様式を基調としたデザイン。赤煉瓦に鉄筋コンクリートを加えた三階建ての庁舎。
 ステンドグラスや漆喰塗り、マーブル塗り(大理石の模様を漆喰塗りで描いたもの)など高度な技術が使用されている。白い花崗岩・人造石と、赤い煉瓦タイル。屋根は天然スレート葺。
 車寄せ上部中央に神鏡と神剣の飾り。控訴院建築ということで、公正に裁くことのモチーフとなっている。
 現在は重要文化財として建物を公開するとともに、名古屋市政についての展示コーナー、司法展示コーナーが設けられている。入館料は無料。

中央階段室

 入り口正面に大理石の中央大階段があり、2〜3階吹き抜けの大広間となっている。大階段の踊り場にステンドグラスがあり、背後の光庭(採光を目的とした小さな庭)から差し込む光を受けて輝く。裁判のシンボルである秤の絵が描かれている。
 柱上半分とステンドグラス両側の柱、壁、中央階段の側面はマーブル塗り。天井中央にも半円筒形ステンドグラスがはめられている。

会議室

 創建時に控訴院の会議室として設置された。
 羽目板張りの腰板は合板が用いられている。壁・天井は漆喰塗りの上に紙張り仕上げ。




愛知県名古屋市東区白壁1丁目3番地