起雲閣

設計:
旧内田信也別荘:1919年、旧根津嘉一郎別荘:1929年、1932年
市指定文化財(2002年3月26日指定)
旧内田信也別荘:木造平屋2階建、旧根津嘉一郎別荘:木造平屋建

概要

 元は海運王の異名を持つ農商相の内田信也の別邸であり、当時の建物として「表門」、和館「麒麟・大鳳」、離れの「孔雀」が残る。
 1925年(大正14年)に、実業家で鉄道王の異名を持つ根津嘉一郎の別邸となり、洋館「玉姫・玉渓」「金剛・ローマ風浴室」が建てられ、現在の池泉回遊式庭園も整えられる。
 1947年(昭和22年)に桜井兵五郎が買い取り、「起雲閣」と名付けて旅館となり、志賀直哉や太宰治等、文豪に愛された。2000年からは熱海市所有となり、一般公開されている。

和館

 1919年(大正8年)完成の和館は1階部分の「麒麟」と2階部分の「大鳳」がある。内田信也が実母の静養のために建てた別荘。座敷の周囲をめぐる畳廊下の窓ガラスは昔のものが残っており、微妙な歪みがある。

洋館「金剛」

  
 洋館「金剛」は1929年(昭和3年)に完成、その後何度か改築されている。大きな暖炉の周囲には螺鈿細工が施され、壁にもステンドグラス用の装飾があしらわれている。金剛にはローマ風の浴室が併設されており、美しいステンドグラスが飾られている。

洋館「玉姫」「玉渓」

 
 1932年(昭和7年)に完成した洋館は「玉姫」と「玉渓」の2棟続き。「玉姫」は、折上格天井等、和洋折衷の様式。サンルームが併設されており、アール・デコ様式を中心とした色鮮やかなタイルや、ステンドグラスが用いられている。洋館「玉渓」はチューダー様式を基本としているが、随所に異国風の様式も取り入れている。





静岡県熱海市昭和町4−2