東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)

設計:宮内省内匠寮、アンリ・ラパン、ルネ・ラリック
1933年(昭和8年)
重要文化財
鉄筋コンクリート造2階建(一部3階建)

概要

 もとは朝香宮邸として建てられ、その後、公邸、迎賓館などとして使われた後、美術館として生まれ変わった。
 1920年代から30年代にかけてヨーロッパを席巻したアールデコ様式を伝えるもの。
 室内の設計はフランス人デザイナーのアンリ・ラパン。正面玄関ガラス扉等はルネ・ラリックが制作。
 1993年に東京都指定有形文化財に指定され、2015年に国重要文化財に指定された。

建物内部


正面玄関

 
 フランスのガラス工芸家ルネ・ラリック製作の正面玄関ガラスレリーフ扉。高さはおよそ2.5mで、4体の女性がデザインされている。

内部

    
 次室の天井は、照明を中心に連続する意匠が同心円状に広がっている。白漆喰のドーム型天井を持つ次室には、主要室内を製作したアンリ・ラパンがデザインした香水塔がある。「ラパンの輝く器」と言われていた。鮮やかな朱色の壁はプラチナ箔を練りこんだ人工大理石。
 大客室にはルネ・ラリック製作のシャンデリア「ブカレスト」が吊り下げられている。これは花をモチーフにしたもので、葉をデザインした部分には繰り返すリズムがある。
 壁はつやのある合板にラッカーを塗って光沢を持たせている。
 マックス・アングランによるエッチングガラスがはめこまれたドア。ガラスの模様は円や渦巻きなど大小さまざまな形が繰り返されている。
 他にはレイモン・シューブによる鉄の装飾、イオニア式柱頭をモデルにした柱などが目に付く。

ウィンターガーデン

 3階にあるウィンターガーデンは、冬でも植物を育てることが出来るようにと造られた。他が木材で造られているのに対し、漆喰・石材・金属・ガラスなどで造られている。床には白黒のタイルがはられている。



東京都港区白金台5丁目21番9号
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